
主査:林 宜嗣 関西学院大学経済学部教授
国及び地方の役割再構築としての道州制または広域地域連合や基礎自治体改革問題は、国と地方の836兆円に及ぶ債務軽減、社会保障制度の立て直しという新しい三位一体改革を具体化させる中での推進が望まれる。こうした課題認識の下、骨太かつ幅広い議論を行うべく当研究会を設置した。2008年度の中間報告として下記研究成果をまとめた。
平成不況に突入以後、日本の地域経済は長期的な低成長局面に突入し、小泉政権下の構造改革路線下で地域間の景況感のギャップ拡大が進行し、そのことと国全体としての低い成長率が相俟って、地方圏では景気に対する先行き不安感が高まっている。特に地方税収の規模や伸びを決定づける経済状況が思わしくなく、とりわけ関西自治体の財政状況が厳しい背景には、財政規律を十分に考慮せず行政サービスを供給してきたことがある。
ここでは、地域経済分析に比較的多用されるシフト・シェア分析の手法を用いて、
①経済と②財政の両面から関西地域の課題を探ってみた。
①平成不況以後の各地域の経済状況の推移とその背景について検討し、関西地域産業の課題を分析する。
②関西の自治体のなかでもとくに厳しい財政状況に直面している大阪府・大阪市を、対東京都および愛知県・対横浜 市および名古屋市の財政運営の内容と比較しながら、その差異から、大阪府・大阪市のこれまでの財政運営を振り返り、今後の財政構造上および地域特殊上の課題を分析し、今後の大阪府・大阪市の財政運営上のあり方についての課題を探る。
【要旨】
①関西地域産業において、持続的発展可能な産業集積の形成に結び付けていくために必要な環境整備のあり方に関し
ての提言としては、
第一に、成長産業・市場の開拓における民間のイニシアチブが発揮されやすい環境整備の重要性を指摘。
第二に、産業政策の成長促進政策としての純化、社会政策的色彩の排除の必要性を指摘。
②大阪府・市とも歳出に関しては、近年削減が進んでいるが、特に大阪府は歳出が過大になっているという地域
特殊要因を解消する必要がある。
税収に関しても、大阪府・市とも地域特殊要因によるところが大きく、大阪府は事業税を伸ばす方策としての企業
誘致などが必要であり、大阪市は地域の魅力を高めていくことによる各税目(特に固定資産税)の税収増を図る必要が
ある。
※詳細は添付報告書を参照下さい。
【研究体制】(順不同、敬称略)
主 査 林 宜嗣 関西学院大学経済学部 教授
委 員 高林 喜久生 関西学院大学経済学部 教授
初谷 勇 大阪商業大学総合経営学部 教授
林 宏昭 関西大学経済学部 教授
赤井 伸郎 大阪大学大学院国際公共政策研究科 准教授
小林 伸生 関西学院大学経済学部 准教授
栗山 和郎 関西経済連合会理事・けいはんな代表取締役社長
田中 哲哉 関西広域機構 事務局次長
藤田 英樹 パナソニック株式会社経営企画グループ
北浦 義朗 関西社会経済研究所 副主任研究員
総括アドバイザー 本間 正明 関西社会経済研究所 所長
主な執筆者は下記の2名です。
①小林伸生関西学院大学経済学部准教授 ②赤井伸郎大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授
(写真:関学HPより提供)
①シフト・シェア分析による国内地域産業の動向分析と関西地域産業の課題 (小林准教授)
②シフト・シェア分析による大阪府・大阪市の財政運営の動向分析 (赤井准教授)
お問合わせ先: 財団法人 関西社会経済研究所 政策提言グループ 島 章弘、丸山喜茂
TEL 06-6441-0550 FAX 06-6441-5760