
太平洋経済展望(PEO)は、1986年の発足以来、構造問題部門と短期予測部門の2部門構成で推進されてきた。発足当初から『域内資本移動』『貿易・投資の変化』『通貨・金融危機』『生産性と産業構造』『財政政策』『インフラ開発』『高齢化』など通算13テーマを扱った。
2009年の短期予測部門の終了により、現在は構造問題部門を軸に研究活動をしており、現テーマ『マクロ金融リンケージと東アジアの金融市場発展』において2回の国際専門家会合を開催した。2011年初夏には、要約版(Executive Summary)を出版・公表する予定である。
(現テーマ『マクロ金融リンケージと東アジアの金融市場発展』)
主査:高阪 章・大阪大学大学院国際公共政策研究科教授
グローバル資本市場の統合化が進むとともに、各国経済はマクロ金融リンケージを深め、景気循環を増幅している。このプロジェクトでは、アジア金融危機以降の10年でアジア金融・資本市場にどのような変化が起き、先進国とのマクロ金融リンケージの深まりがどんな役割を果たしたのか、それらがどのような政策含意を持つのかを明らかにする。
(次期テーマ案『金融政策レジーム』)
主査:高阪 章・大阪大学大学院国際公共政策研究科教授
アジア太平洋地域の先進国と新興国における「金融政策レジーム」とそのマクロ経済パフォーマンスへの影響を比較する。現状のグローバルな混乱状況の中で、為替安定、資本移動、金融政策の自律性の間のトリレンマが議論されている。だが、正確にどのような場合にどの程度までこのトリレンマから逸脱すべきなのかについては定説がない。そこで第一歩として、1990年代以降のこの地域の経験をレヴューし、『(市場は)自由であればあるほど、また、(価格は)弾力的であればあるほど、良いのだ』というマントラ(思い込み)から解放された金融政策レジームの構築を目指して新たな視角を追求する。