
当研究所は、アジア開発銀行(ADB)「公共政策トレーニングプログラム」として、カンボジアの閣僚級を含む上級行政官一行24名の研修を3月9-10日に受け入れた。
同プログラムはカンボジア政府による公共財政管理改革プログラムの一環であり、カンボジア側は経済財政省金融研究所、日本側は名古屋大学大学院国際開発研究科が窓口となり、事前にカンボジアで1週間ほどの研修の後、日本国内で3月6日から11日まで実施されたものである。
9日午後には、大阪証券取引所ビル23階に立地する岩井証券本店営業部を訪問し、店頭においてインターネット取引の模擬操作方法や岩井証券の会社概要をはじめとした、日本の株式市場の概要・仕組みについての説明を受けた。引き続き、岩井コスモホールディングス本社にて取締役および担当者との質疑応答を行った。当研究所の立地する中之島センタービルへ移動後、関西学院大学経済学部の田中敦教授から、「Corporate Finance and Economic Development(企業の資金調達と経済発展)」と題して講義が行われた。
田中教授からは、金融の必要性、金融や金融方式の定義、貸し手と借り手の関係、株式市場の役割、次いで日本における、企業の資金調達と経済発展、最近の金融システムでの問題等について講話がなされた。
10日午前には名古屋大学大学院国際開発研究科の藤川清史教授より、「Transition of Japanese Macro Economic Policies (日本のマクロ経済政策の変遷)」と題し、戦前から、高度成長期、バブル期、失われた10年、小泉改革期を通じた、財政・金融を含めた経済政策の移り変わりを中心にご講話いただいた。日本における急激な高度経済成長がもたらした都市と地方の格差問題、その格差是正のために次々と打ち出された政策の功罪の整理にも言及し、今後、さらなる経済発展を迎えようとするカンボジアに対し示唆を与えた。
研修を受けた行政官の方々は熱心に聴講し、特に日本の経済成長を通じて行われたインフラ投資とその効果などについて、活発な質疑応答がなされた。
(文責:関西社会経済研究所事務局)